歯の再生医療はこれからの矯正治療を変える!?

岡山大学で、イヌの歯の再生に成功!!

先日、岡山大学の研究で歯の再生医療における大きな成果が発表されました。

国際的科学誌『Scientific Reports』に掲載

岡山大学の研究グループは、イヌの幹細胞から作った歯の基になる「歯胚」を用いて、同じイヌの歯を再生させることに成功しました。

この研究は2017年3月16日の英電子科学誌『Scientific Reports』で発表されました。

大型動物での成功はヒトの歯の再生治療の可能性を示すもので、同大教授は「毛髪や臓器の再生にも応用できると考えられ、再生医療の発展につながる」としています。

 

研究概要

生後30日のビーグル犬の小臼歯の歯胚を取り出し、さまざまな器官の基(種)となる上皮組織と間葉細胞に分けました。

これをもう一度合わせたて2日間培養することで「再生歯胚」を作り、同じイヌの歯が抜けた部分に移植したところ、約6カ月で歯が生えました。

出典:日刊工業新聞

完全な歯と言える歯が生えた。

この歯はエナメル質や象牙質、歯根膜といった、天然の歯と同じ構造を持っていました。

また、歯の中には神経も作られていると推測されているようです。

 

実はマウスでは歯の再生は成功していた

実は歯胚を用いた歯の再生、2007年には東京理科大のグループがマウスで成功していました。

しかし、その技術をヒトに応用するには、まず歯が生え替わるイヌなど大型動物での成功が必要だったのです。

そういった意味で、今回のイヌでの研究結果は画期的といえるものだったのではないでしょうか。

 

歯の移動も確認!

さらに矯正治療を想定し、再生した歯に力を加えて動くかを確認しています。

その結果、30日で歯が移動することを確認できました。

 

今後の矯正治療にどう活かされる?

抜歯の際に治療の幅が広がる!?

矯正治療では、治療に際して抜歯を行うことが珍しくありません。

かといって、歯をただ抜いてしまうのはもったいありません。

虫歯や歯周病などが原因で歯を失った部分があれば、歯の再生を利用するシーンもありそうです(現在でも歯の移植という方法がありますが、それも難しいケースなどで用いることができるかもしれません)。

 

先天欠損の人には効果大!?

また、以前別のブログでも紹介しましたが、生まれつき歯の数が足りない「先天欠損」が今では10%以上の子に見られます(詳細は『10人に1人は歯が足りない!?』をご覧ください)。

先天欠損がある場合、歯の矯正治療の難易度や最終的な仕上がりにどうしても影響が出てしまいます。

そういったケースでも歯の再生というのは大きな力を発揮するのではないでしょうか。

 

もちろん通常の歯科治療でも。

通常の歯科治療でも(むしろこちらの方が)歯の再生医療技術は大いに力を発揮しそうです。

先ほども書いた通り、虫歯や歯周病等で歯がなくなってしまうと、そこを何らかの方法で埋めないといけません(放置すると歯並びか崩れてしまう大きな原因になってしまいます)。

現在のところ、

・ブリッジ

・入れ歯

・インプラント

という3つの方法が主に考えられます(場合によっては矯正治療で対処する、ということもあります)。

しかしこの3つの方法は天然の歯で再生する訳ではないので、「歯の生理機能を有していない人工的な代替治療」ともいえます。

その分再生した歯と異なり、「侵害刺激に対する神経機能」などは有していません。

天然の歯に勝るものはないのです

 

いつ実用化?将来の展望は

残念ながらまだメドは立っていないでしょう。

しかし、ビーグル犬のような大型の哺乳類で成功したというのは大きな前進であるのは間違いありません。

近い将来、歯の再生医療によって天然の歯と同様の機能を得ることができれば、健康な食生活、ひいてはQuality of Life(クオリティ・オブ・ライフ)、人生の生活の質を向上させることができるのではないでしょうか。

実現する日が待ち遠しいですね!!

 

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