非抜歯矯正ってどうなの?

ネットで「大人の矯正治療」と調べると、「抜歯治療(抜歯矯正)」と「非抜歯治療(非抜歯矯正)」というフレーズが良く出てきます。
目次
抜歯治療、非抜歯治療って?
抜歯治療とは、大人の矯正治療(主にマルチブラケット装置を用います)において、歯を抜いてきれいな歯並びかみ合わせをつくる治療方法です。
マルチブラケット装置
出典:医療法人 自正会HPより
一方非抜歯治療は、歯を抜かずに歯並びかみ合わせをつくる治療方法です。
これだけ聞けば、誰でも非抜歯治療にしたいですよね。
ここで注意したいポイントが。
「抜歯」「非抜歯」には親知らずはカウントされません。
矯正治療で抜歯をする際、通常小臼歯といわれる前から4,5番目に位置する歯を選びます。
親知らずは通常マルチブラケット装置は付きませんが、それ以外の目的で抜歯します。
そのため親知らずだけ抜歯しても抜歯治療にはなりません。
そもそもなんで抜歯治療があるのか
なんで抜歯する必要があるのでしょうか。
その意味を理解するうえで押さえておきたい基本的な情報が3つあります。
・大人の場合、顎の骨はすでに成長が終わっています。
・歯は顎の骨の中から生えています。
・歯や顎の大きさ、形は人それぞれ。
どれも当然といえば当然のことですね。
つまり歯が大きくて顎の骨が小さい人の場合、歯を並べきることはできません。きれいな歯並びかみ合わせにするには歯の数を減らし、顎の骨の大きさとバランスを合わせることが必要になってきます。
椅子取りゲームのように、入ることのできる数は決まっているのです。
これが抜歯矯正の考え方です。
これを無理に並べようとすると…
前歯は前の方に傾いて並びます。
奥歯は外側に倒れて並びます。
その結果…
・口元が飛び出て口が閉じづらい、奥歯の並びはいいけど食べ物をうまく噛めない
・歯の根っこが顎の骨から飛び出てしまう
ということになってしまいかねません。
出典:OPひるま歯科矯正歯科HP(他院から転院してきたときの状態です。)
これでは見た目も咬む機能も、どちらも達成されていません。
しっかりした検査の上で、抜歯するかしないかを決めてくれるのが良い矯正歯科選びの一つの基準といえるのではないでしょうか。
もちろん(大人の)歯は2度と生えてきません。
大事な歯だからこそ、しっかりと判断してくれる先生を選びましょう!
最後に…
しっかりと咬んでいる歯でなければ、歯の寿命が縮まってしまいます。
何本かの歯を助けるために非抜歯矯正治療をして、結局のところ全体の寿命が縮まった、なんてことの内容にしましょう。
もちろん歯を抜かずしっかりと並んで咬むケースならそれにこしたことはありませんけどね。