大人の矯正治療なのに取り外し可能!?マウスピース矯正とは

大人の矯正治療というと、「マルチブラケット装置」が主流です。
一本ずつの歯に「ブラケット」という装置を接着し「アーチワイヤー」という針金の力で歯を動かしていく、というものです。
マルチブラケット装置
そのような中、「見えない矯正」になると裏側矯正(リンガル矯正)という、歯の裏側につけるタイプのマルチブラケット装置があります。
しかし現在、「マウスピース矯正」という治療法が、選択肢の一つに入ってくるようになりました。
目次
マウスピース矯正とは
マウスピース矯正というのは、文字通りマウスピースのような装置(アライナー)を付けることによって歯を動かし、きれいな歯並びかみ合わせを作るといった治療法です。
マウスピース矯正で歯が動く仕組み
なぜマウスピースをつけるだけで歯が動くのでしょうか。
実はこのマウスピース、一つのものをずっと使い続けるわけではありません。
現在の不正咬合から、治療終了してきれいな歯並びに至るまでの過程をシミュレーションし、その過程ごとの歯並びにぴったり合うようなマウスピース(アライナー)をいくつも作成するので、1つずつ微妙に形が異なります。
ブログ 「31歳からの歯列矯正」より
これらのマウスピースを順番に使用することで、歯に少しずつ力が加わって歯が動き、歯並びが治ります。
どんな人に向いてるの?
マウスピースが透明であるために、かなり目立たない歯列矯正治療が可能です。
そのため、
接客業で仕事の関係上マルチブラケット装置はNGの方
治療しているのを気づかれたくない方
激しいスポーツをしている方 ※マルチブラケット装置の場合、ぶつかった際に口の中が傷つきやすくなってしまいます
管楽器を演奏している方 ※マルチブラケット装置の場合、リードを口に押し付けると痛くなります
などの方に人気がでています。
装置の種類
マウスピース矯正はいろいろなメーカーから出ており、種類もその分たくさんあります。
代表的なものをいくつかご紹介しましょう。
インビザライン
最も代表的なものと言っていいのではないでしょうか。
最新の3Dテクノロジー(3次元画像化技術とCAD/CAM技術)で制作され、全世界で400万人の治療に用いられてきました。
基本的に1回、もし、ズレが発生しても2~3回歯型を採ればよい、というのが特徴です。
アソアライナー
次の段階に移行する際、毎回型採りが必要になります(その分、患者さんにとっての負担は大きくなります)。
しかし毎回その時点の歯ならびの模型からそれに合わせたマウスピースを作成できるため、精度の高い矯正治療が可能です。
アクアシステム
DENマウスピース
装着時間が1日8時間というのが他と大きく異なる点だといえるでしょう。
その他にも
その他にもオペラグラスというマウスピース矯正など、いくつかあります。
詳しくは矯正専門医でお尋ねください。
適応症について
適応症は、
マウスピース矯正の装置の種類
クリニック
などによって大きく異なります。
ただ、マルチブラケット装置と比べると適応が限られてくることが多いようです。
お近くの矯正専門のクリニックでご相談ください。
次にメリットとデメリットを考えてみましょう。
メリット
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透明なため、装置の見た目が気にならない
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取り外しできるため、歯のお手入れが簡単。結果として虫歯や歯周病のリスクが軽減される。
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通常のマルチブラケット装置よりも痛みや違和感が軽減されることが多い
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金属アレルギーのある人でも使用できる
デメリット
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ほとんどのマウスピース矯正は1日20時間以上の使用が必要、つまり食事と歯磨きの時以外は常に使う必要がある。使わないと当然ですが治療が進んでいかないので、強いモチベーションが必要
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抜歯をともなうような治療には不向きなことが多いなど、適応症が限られる
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定期的に歯型の採取が必要で通院回数が多くなる装置もある
いかがでしたか?
従来の装置以外の選択肢が増えるとかえって悩む方もいらっしゃるでしょうが(笑)、それでも多いに越したことはないですよね。
悩みぬいて納得した治療をうけて矯正ライフを楽しんでくださいね。