顎の骨を切る?外科矯正治療と顎変形症の関係とは。

顎変形症ってどんな状態なの?

みなさんは『顎変形症』という言葉を聞いたことはありますか?

顎変形症とは、『上あごまたは下あごのどちらか、あるいはその両方に骨格的な位置のずれや形態の異常が認められ、見た目や咬み合わせの異常を起こしている状態』を指します。

このような場合、矯正治療だけでしっかりした咬み合わせを作ることは難しく、歯や顎の骨、歯茎に負担がかかった咬み合わせになってしまいます。

そのため、外科手術を併用した矯正治療が必要になってくるのです。

種類は

顎変形症の種類は様々で、位置のずれや大きさによって主に次のように分けられます。

上下の顎の前後のずれによるもの

・上顎前突症:上あごが前方に出ている状態
・上顎後退症:上あごが後ろに引っ込んでいる状態
・下顎前突症:下あごが前方に出ている状態
・下顎後退症:下あごが後ろに引っ込んでいる状態

上下の顎の上下のずれによるもの

・過蓋咬合:かみ合わせたときに、下の前歯が上の歯に覆われてほとんどみえない状態
・開咬:かみ合わせたときに、前歯で咬めずに離れている状態

↑開咬。  出典:三宅矯正歯科クリニック

上下の顎の左右のずれによるもの

・顔面非対称:顎に歪みがあり左右が非対称になっている状態

などです。

症状は

ものを食べるときにうまく咀嚼できない

発音がうまくできずに話しづらい

など、多くのケースで機能的な症状が認められます。

治療内容について

歯列矯正治療と手術を併用する、外科矯正治療が行われます

矯正治療と外科手術を併用する外科矯正治療が行われます。

治療の手順は

一般的な流れとしては矯正治療中に外科手術を行う、というイメージになります。 

 1.術前矯正治療

 2.手術(下顎単独手術or上下顎両方手術)

 3.術後矯正治療

 4.保定治療

という手順です。

手術の方法は。

全身麻酔下で手術が行われ、入院が必要になります。

下あごのみの手術で1~2週間、上あごも手術する場合1週間程度長くなる、というのが一つの目安です。

手術は基本的に口の中から行います。

そのため顔の表面には傷は残りません。

顎の骨を切り、かみ合わせが整う位置に動かします。

その上で接合材(骨をとめるネジやプレート)で骨を固定します。

上あごに対する術式は

Le FortⅠ型骨切り術

下あごに対する術式は

下顎枝矢状分割術

下顎枝垂直骨切り術

等が多く用いられています。

↑LeFortⅠ型骨切り術と下顎枝矢状分割術。 出典:岡山大学顎口腔再建外科学HP

治療によるメリットは

効果は様々ですが、

・かみ合わせが改善することで、咀嚼能力(食べ物を咬みきりつぶす機能)が向上します。

・顎のバランスを改善した状態で咬み合わせを作るので、歯が長持ちします。

・発音がしやすくなります

・顎のズレが改善されたことにより見た目が改善します。

費用について

実は顎変形症、保険適応になるんです。

国によって指定された医療機関で顎変形症の診断を受け、治療を行った場合に限り、顎変形症の治療は歯科矯正も外科処置もどちらに対しても保険が適用されます。

個人差はありますが、保険の負担額が3割の人でトータル50万円前後になることが多いようです。

高額療養費の申請も忘れずに。

また入院の際には高額療養費という、医療機関の窓口で支払った額がその月で一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度があります。

対象になるクリニックは

保険診療にて顎変形症の矯正治療を受けるには、

・自立支援医療機関(更生・育成医療機関)

・顎機能診断施設

の指定を受けた医療機関で治療する必要があります。

まとめ

大人の人で顎の大きさや形態を変えるには、顎の手術が必要になります。

手術ということで治療に踏み出すのに勇気が必要ですが、治療をしたことで前向きになるという方が多いのも事実。

気になる方は一度専門のクリニックで相談してみてはいかがですか?

このカテゴリーの関連記事