矯正用インプラントがなかったころの話。

目次

歯科矯正用アンカースクリュー(矯正用インプラント)とは

矯正治療の期間短縮や負担軽減に役立つ矯正用のスクリュー。

今では矯正治療になくてはならないほど普及しています。

 

じつは矯正用のスクリュー、多用されるようになってからまだ10年ほど、誕生からでも20年ほどと、最近の治療法なんです。

 

では一体、矯正用のスクリューが誕生する前はどのような方法で治療が行われていたのでしょうか。

※矯正用のスクリューの基本的な内容は、先日公開したこちらのページをご覧ください。

 

今まで使われていた装置とは

矯正用のスクリューは動かしたい歯を動かすための『固定源』として用いられます。

しかし矯正用のスクリューがなかったころは、固定源として主に他の歯が用いられていました。

しかし通常歯を動かす際には固定源も動いてしまいます。

そのため、状況に応じて様々な装置を用い、固定源が動きづらくなるようにしていました。

 

その代表ともいえるのがヘッドギアーではないでしょうか。

ヘッドギアーとは

出典:ホワイトエッセンス渋谷HP

この装置は、首や頭を土台にして、間接的に奥歯(ここでは固定源とします)が前の方に動くのを防ぐ装置です。

画像に出ているように口の外にも太い針金が出ています(口の外にでている針金は通常は夜間就寝中のみ装着します)。

ファインディングニモに登場する女の子のダーラちゃんを思い出した方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、この装置は矯正用のスクリューと比較した場合に大きなデメリットがあります。

それは、「毎日忘れずにしっかりと使用する」という事です。

 

『夜寝る前に装置をつけ、朝起きたら外す』

 

治療を進めるためには当然必要なことですが、これがなかなかすべての人にできることではありません。

 

社会人の女性だと、様々な事情で使用するのが難しいことがあることは分かっていただけるのではないでしょうか。

 

使用状況に影響されない代表的な装置が以下の2つです。

パラタルバー・ホールディングアーチ

パラタルバー(トランスパラタルアーチ)

ナンスのホールディングアーチ

これらの装置はヘッドギアーと同じく、奥歯(ここでは固定源)が前の方に寄ってしまうのを防ぐ装置です。

ただし、正確には「防ぐ」ではなく「減らす」というのが正しい言い方でしょう。

 

取り外したり付け直しの必要はありませんが、矯正用のスクリューや、ヘッドギアーをしっかりと使用した時ほどの効果は見込めないかもしれません。

 

その他にも

その他にも固定源をあまり動かさないよう治療する方法はたくさん存在します。

 

紹介した装置は現在でも使われている。

最後に一つ知っておいていただきたいことがあります。

ここで紹介した装置は今でもよく使われています。

 

その理由は

様々です。

例えば

・矯正用のスクリューを使っていないクリニックもあります。

・患者さんの希望で矯正用のスクリューが使用できないことがあります。

・矯正用のスクリューが顎の骨にうまくつかないケースもあります。

・矯正用のスクリューを使用できる年齢を制限しているクリニックもあります。

などが挙げられます。

 

矯正用スクリューが使えるか、心配な方は

矯正相談の時に先生に尋ねてみるのが一番です。

相談せずに知りたい方はホームページをチェックする、矯正用のスクリューを使用しているかをクリニックに問い合わせしてみましょう。